色黒の豚

飛ばねえ豚はただの豚だ

チンギス・ハーンのいた国

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 ウランバートルは、国境の街ザミンウードは違い、活気がある。駅を降りると、乗客を待っていた家族やら、ゲストハウスの迎えやら、客引きやらがドッと押し寄せてくる。客引きは絡んできても、もう宿決まってるからと返すと、楽しんでと言って手を振る。客引きなのに、なんて爽やかな連中だ。中国じゃ、ちょっとないかなと思う。

 

 駅から30分かけてゲストハウスに歩き、チェックインする。2日ぶりのシャワーを浴び、お湯が出るありがたみを知る。昼には着いたので、そのまま観光に向かえばいいのだろうが、わしは怠惰なのでベッドでゴロゴロする。実に快適なことである。

 

 ゴロゴロするのにも飽きてくると、のろのろ立ち上がり、少し外に出るかという気になる。ゲストハウスのスタッフに聞くと、隣にチンギス・ハーン広場なるものがあるらしい。想像力が貧しいため、歴史的建造物の類にはあまり興味を持てないのだが、近いし暇なので向かう。

 

 しかし、この不届きの目にも、チンギス・ハーン初代皇帝の姿はあまりに雄々しく映り、なかなかどうして感動した。国会議事堂である政府宮殿の裏に鎮座するチンギス・ハーン像は巨大だ。なんだこの存在感はと思うが、そういえばこの国には至る所にこの皇帝がいる。空港の名前もチンギス・ハーン空港だし、紙幣も大体チンギス・ハーンだ。これだけの歴史的キャラクターは日本にはいないだろうなと思う。世界史で習った、元の最盛期の勢力地図はちょっとありえない程に大きかった。モンゴルという国は、その歴史の上にいるのだ。盛者必衰の寂しさみたいなことを想像しながら帰って、またゴロゴロした。

 

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                                   つづく